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AI/技術

Claude Fable 5.1が373年前の暗号を解読?AI界隈が熱狂する「Cyphral Distich」の仕組みと疑惑

2026/09/15 19:31 · 0 閲覧数

最近、AI界隈や歴史ミステリー好きの間で、あるニュースが大きな話題になっていますよね。「最新のAIモデルが、373年間誰にも解けなかった歴史的暗号を解読した!」というものです。

主役は、Anthropic社が2026年9月に提供を開始したばかりの最新AIモデル『Claude Fable 5.1』。そして、AI評価企業のVals AIがこのモデルを使って解き明かしたとされるのが、「Cyphral Distich」と呼ばれる未解読暗号です。

「ついにAIが歴史の謎を解き明かす時代が来た!」とワクワクする一方で、SNSやフォーラムでは「本当に解けたの?」「なんだか怪しいぞ」といった議論も白熱しているんです。

今回は、Claude Fable 5.1が具体的にどうやってこの暗号を解読したのか、その鮮やかな手口(仕組み)を解説するとともに、称賛の裏で巻き起こっている「信憑性を巡る疑惑」について、客観的な視点から深掘りしていきます。AIの進化に興味がある方はもちろん、謎解きが好きな方もぜひ最後まで読んでみてくださいね。

謎の暗号「Cyphral Distich」とは?

そもそも「Cyphral Distich」とはどんな暗号なのでしょうか?

これは、スコットランドの作家であり翻訳家でもあったトーマス・アーカート(Sir Thomas Urquhart)が、1653年に出版した著書『Logopandecteision』の中に書き残したものです。

暗号の見た目は非常にシンプルで、32個の数字が2行、合計64個の数字がただ並んでいるだけ。しかし、この一見無意味な数字の羅列が何を意味しているのか、370年以上もの間、誰一人として解き明かすことができませんでした。

Claude Fable 5.1はどうやって暗号を解読したのか?

そんな歴史的な難問に挑んだのが、Vals AIとClaude Fable 5.1です。驚くべきことに、AIは人間の介入なしで、この暗号の法則を見つけ出しました。

「本そのもの」を鍵とするブックサイファー

Vals AIの分析によると、この暗号は外部の暗号表を使うのではなく、**「本自体」を鍵とする『ブックサイファー』**という仕組みでした。

具体的には、次のようなルールが隠されていました。

  1. 暗号の『i番目』の数字に注目する。
  2. 著書『Logopandecteision』の中にある「Proquiritations(嘆願)」という32のセクションのうち、『i番目』のセクションを開く。
  3. そのセクションの中から、暗号の数字が示す特定の単語を探し出し、その「頭文字」を取る。

つまり、1番目の数字は第1セクションの特定の単語の頭文字、2番目の数字は第2セクションの特定の単語の頭文字…というように、本を行ったり来たりしながら文字を拾い集めていくパズルだったんです。人間が手作業でやるには気が遠くなるような作業ですよね。

44分間の試行錯誤とデータ構造化能力

Vals AIの発表によれば、Claude Fable 5.1は高度な暗号解読専用のアルゴリズムを使ったわけではありません。文書全体を一つの巨大な「データ構造」として捉え、体系的な試行錯誤と仮説検証を粘り強く繰り返すことで正解にたどり着いたのだそうです。

かかった時間はわずか44分。その間に消費したトークン数は17万6000トークンに上りました。膨大なテキストデータを瞬時に読み込み、仮説を立てて検証するAIならではの圧倒的なスピードと推論能力が発揮された事例と言えます。

解読されたメッセージが意味するもの

では、64個の数字が示していたメッセージとは何だったのでしょうか?

解読された平文は、次のような2行の韻文(Distich)でした。

O GOD UPHOLD KING CHARLS THE SECOND AND MAKE HIM THE SUPREME RULER OF THIS LAND
(おお神よ、チャールズ2世を支持し、彼をこの国の最高統治者にしたまえ)

トーマス・アーカートは熱烈な王党派(王室を支持する立場)として知られていました。当時のイギリスは清教徒革命の真っ只中で、王党派にとっては非常に厳しい時代です。そんな中、彼は自らの政治的信念と祈りを、誰にも読まれないよう自著の中に暗号として隠していたんですね。歴史的背景とも完璧に合致する、非常に説得力のあるメッセージです。

称賛の裏で巻き起こる「疑惑」と議論

「AIすごい!」「歴史のロマンだ!」と手放しで喜びたいところですが、実はこのニュース、海外のコミュニティ(Redditなど)ではかなり賛否両論が巻き起こっているんです。

ヴォイニッチ手稿への期待 vs 「脱出ゲームレベル」という冷ややかな声

肯定的な意見としては、「この調子なら、ヴォイニッチ手稿やインダス文字、ゾディアック事件の暗号など、他の歴史的未解決暗号もAIで解けるのではないか?」という期待の声が多く上がっています。

一方で、「ヒントにさえ気づけば、60分制の脱出ゲーム程度の難易度じゃないか」「AI界隈は些細な成果を大げさに騒ぎすぎている」といった冷ややかな意見も存在します。確かに、ルールさえ分かってしまえば単純な作業ではありますが、そのルールをゼロから見つけ出した点は評価されるべきだと個人的には思います。

大英図書館の原本と合わない?信憑性を揺るがす指摘

しかし、最も深刻な議論は別のところにあります。

一部の研究者や批評家から、**「大英図書館に保管されている1653年の原本を用いた場合、Vals AIが主張するような配置で暗号を再現できない可能性がある」**という指摘が出ているのです。

これが事実だとすれば、大きな問題です。ネット上では現在、以下のような疑問や疑惑が飛び交っています。

  • ソーステキストの出所は?
    Vals AIがClaude Fable 5.1に入力した『Logopandecteision』のテキストデータは、具体的にどの版(エディション)やデジタルアーカイブのものだったのでしょうか?もし現代向けにフォーマットが修正されたテキストを使っていたとすれば、原本のレイアウトに依存する暗号解読としては不成立になってしまいます。
  • 完全なゼロショットだったのか?
    AIに「完全にノーヒント(ゼロショット)」で解かせたのか、それともシステムプロンプト等で何らかの事前指示やヒントを与えていたのか。この検証プロセスが甘いのではないかという声もあります。
  • コストの不透明さ
    44分間で17万6000トークンを消費したとのことですが、実際のAPI利用コストはいくらかかったのか?実験の再現性や透明性を高めるためにも、詳細なデータ公開が求められています。

AIが導き出したメッセージ自体は文脈的に非常に美しく説得力がありますが、完全な独立監査や検証の要件を満たしていないため、「捏造ではないか」「ソーステキストが改変されていたのではないか」と疑う声が絶えない状況です。

まとめ:AI時代の暗号解読と私たちの向き合い方

Claude Fable 5.1による「Cyphral Distich」の解読劇。それは、最新AIの卓越したデータ構造化能力と推論力を示す画期的な事例であると同時に、AI時代における「人間の厳密なファクトチェック」の重要性を浮き彫りにしました。

AIは膨大なデータから隠れたパターンを見つけ出す天才ですが、入力されるデータ(今回で言えばソーステキスト)が正確でなければ、導き出される答えも現実とズレてしまいます。AIの成果をただ鵜呑みにするのではなく、一次情報(原本)にあたって検証する姿勢が、これまで以上に求められているんですね。

とはいえ、AIが歴史の謎解きに新たなアプローチをもたらしたことは間違いありません。もし皆さんも複雑なデータ分析や謎解きのタスクを抱えているなら、Claude Fable 5.1のような最新AIの推論能力を試してみてはいかがでしょうか?

あるいは、大英図書館のデジタルアーカイブにアクセスして、トーマス・アーカートの暗号の謎について、あなた自身の目で検証してみるのも面白いかもしれませんよ。

#Claude Fable 5.1#Cyphral Distich#Vals AI#未解読暗号#ブックサイファー